ラジアータストーリーズ

15時間プレイしたうえでのレビュー。

■総括:

中の下。クソゲーに後一歩、ギリギリ踏みとどまってるかナ。
トライエースの作品と思って買った人はご愁傷様。
FF7・8の頃のスクウェア臭がプンプンするゼェーッ(ドッギャーン)。
見た目の良さと宣伝、これだけで勝負をかけてます。中身は無きに等しいです。
いや、中身さえもっと練り込んだら、名作になり得たかもしれませんが。。。中盤以降、駆け足を通り越してゼロヨンレース並みに進行するシナリオ展開から、おそらく開発期間が足りず、作り込み途中で販売したと推測されます。元々の設定・素材は良かったと思うので、惜しい作品といえるか??
やり込むほどの価値はないので、攻略サイト利用してさくっと終わらせるのがよろしいかと。ゲーム自体は短めなので、情報があればクリアは早いと思います。20時間もあればクリアできるのでは。
この20時間が物足りないと思うか、さっさと終わってせいせいしたと思うかは、貴方にお任せします。
というか前者はありえねえと思うけど。

■ストーリー:

トライエースということで、ストーリーに期待して購入した人、多いんじゃないかな?
見事に一杯食わされましたね。
メインのストーリーがサブキャラの視点で語られることが多いのですが、こういう手法は、同じ事象をそれぞれの異なる切り口で見せることで効果を発揮するものです。
が、本作のそれは、主人公が市井のお使いシナリオやってる最中に、サブキャラ視点で世界はどんどん大変なことになって行きます。
さらに、サブキャラ視点が断片的にしか示されず、中盤以降はストーリーが猛スピードで展開していくため、プレーヤーは今川監督作品も真っ青の置いてきぼり感に襲われます。
もちろん、悪い意味で。(もしかしたら、設定が全く語られず何がなんだか分からないあたりはエヴァ的なのかも)
登場人物の性格付けも、中盤以降大きく変わってしまいます。感情移入なんてカケラもできません。
中盤以降のこの大変化、納期に間に合いそうにないので途中でスタッフ総入れ替えしたンかなァとか、大人の勘ぐりを入れたくなるのはゲスというものなんでしょうか。もしくは、スタッフが逃げたか。
まだ生では見ていませんが、EDは2種どちらもバッドエンド(ヒロイン見殺し)のうえ、FF7の犬エンディングに匹敵する素っ気なさらしく、そんなゲームに人生費やしてる自分に、今から胸が熱く高鳴ります。
ああ、あと、店頭デモで、主人公がヒロインに対して「お前を守る!」と言い切るこっぱずかしい、しかし正統派グッドエンディングへの流れを期待させるシーンが流れますが、ゲーム中にそんなシーンは出てこないそうです。
そんなのアリか??メーカーとしての仁義っちゅうもんはないんでしょうか。

■システム:

”リンクシステム””スキルシステム””技組み合わせ””ボルティ技””ガードカウンター”等々、戦闘に関わるシステムはトライエースらしく多彩ですが、多彩なだけってのは問題でしょう。”リンクシステム”は「使うと余計に戦闘が長引く」というトホホな代物。
”スキルシステム”は、一つしかスキルを持てないので複数のスキルを育てる意味がほとんどありません。効果微妙なスキル多いし。
”技組み合わせ”は、結局スキの少ない一部の技しか使えないのでこれも意味なし(まァ、これは同種のシステムを採用するゲームの宿命ではありますが)。
”ボルティ技”は、いわゆる必殺技ですが、与ダメが笑えるほど少ない為全然使いません。
このように、戦闘関係のシステムは全くと言って良いほど意味が無く、最終的に最強攻撃は、スキの少ない技セットして攻撃ボタン連打という身も蓋もないもの。
ヴァルキリープロファイル(以下PF)だと、「アッパーで浮かせて多段技でタコ殴り」や「スキの少ない技でひるませてから大技、その後は飛び道具でフォロー」など、技の組み立てから燃えたものですが、そんな戦略性なーんもなし。
さらに、ゲーム自体の難易度の低さが、戦闘のつまらなさに拍車をかけています。
もっと言うなら、仲間177人も集められるのに、スキルや技のセット、装備を変えられるのが主人公だけってどうよ。
このへんからも、ああ、開発期間なかったのねって思っちゃうわけです。

■仲間:

177人集められますが、9割方不要です。戦闘で微妙にしか役に立ちませんし、キャラ毎の得手不得手みたいな戦略性もありませんので。
仲間がクソ多いゲームといえば、ほかに「幻想水滸伝」があげられますが、仲間になる過程が描ききれず、一人一人の存在感が薄いというところが非常に良く似ています。
後発なのに、駄目な所を真似してどうするねん、とツッコミ入れたいところです。
というか、本作では、「洗面所で蹴ったら仲間に」とか、「道ばたの見ず知らずの少年が突然仲間に」とか、「幻想水滸伝」よりもアレな仲間システムに、眼精疲労が一層痛みます。
おまけに、終盤で、人間側・妖精側の選択肢により、相手側陣営に属する仲間がごっそり居なくなるという素敵な罠付き。素薔薇しい。