ホワイトカラー・エグザンプション

コラムがあったのでメモ的に。

実は、ウチの会社では、既にこれと似たような制度が導入されています。(現行法に整合するのかどうか疑問はあるが、それはさておき)
なので、こういう制度が導入された場合にどうなるか、ある程度実感をもっています。

こういう制度下では、働けば働くほど、実質的な賃下げになります(労働時間あたりの賃金が下がるので)。だから、仕事が回ってこないように、「死んだふり」をしている人が出てきました。
しかしながら、成果主義なので、アピールできる部分はやらないといけません。
結果、目立つところは(なるべく人にやらせつつ、オイシイとこ取りで)成果をアピールし、目標管理に関係のないところは丸投げ、放置、放棄の嵐で、組織全体がグダグダになりつつあります。
ウチの会社は、優しいというか、リストラを極力しない会社なので、グダグダ社員が横行してこうなっちゃうんですが、仮に容赦なくグダグダ社員を切る会社だったら、今度は奴隷労働のタコ部屋状態になるのは目に見えてます。

ほかのサイト見てると、「できない奴が居残って残業代もらうのは理不尽だから、出来る奴がさっさと帰って儲けるのはいいことだと思う」という論調もありますが、そういう人は、人事制度がマネージャーのレベルできちんと理解・運用されてて、なおかつ制度の意味に沿ってきちんと制度運用してくれる、素晴らしい会社に勤務してるんでしょうね・・・。
世の中、そういう会社よりも、人件費削減の方便として導入する会社の方が多いのでは?(何の根拠もなく感覚ですが・・・)
業務量の交渉や成果評価の議論がきちんと出来る会社なんて、ごく一部だと思います。結局、まじめに働けば心か体が壊れるまで業務量を与えられ、要領の良いヤツはうまく立ち回って仕事を回避しさっさと帰り、でもどちらも賃金は同じという可能性をはらんだ制度が良い制度だ、とは思えないです。
一部大企業以外のリーマンは、おおむね俺と同じような感想を抱くと思いますが、どんなもんでしょう?

思うに、前も言いましたが、仕事量の裁量があり得ないなかで導入できる制度ではないと思います。
会社が業務量を含めたマネジメントをきちんと行って、成果の評価も公正に行い、そのうえで十分な人員を配置できて、初めてまっとうに導入できる制度だと思うのですが、、、
これが導入されれば、間違いなく日本の事務現場は劣化します。ウチの会社見てて、そう思います。

だいたい、人件費の抑制を目的に(うわっつらの)成果主義を取り入れて、どんだけグダグダになってるか、本当に財界関係者は分かってないんでしょうか・・・?
おまけに、さらなる実質賃下げで、景気にも良くない影響があると思いますし。今回は、所得が減るのと併せて、消費行動に使う時間まで削減するんだから、より影響は大きいと思います。
少子化にも負のインパクトを与えると思いますし。少子化白書と言ってることが正反対。政策の整合性むちゃくちゃ。

やっとここに来て、問題提起の声がぽつぽつ出始めましたが・・・。どうなるのかなあ。